広大な鹿島港の入口に、まるで長崎の出島のように「ポッ」と浮いている小島がある。「鹿島港ポートラジオ」。港内を往来するタンカーなどの無線誘導をする基地だというんだが、さすがは「島」だけあって、なんともたくさんの種類が集まっている海域なんだここが。
巨大なコンビナートをバックに釣り糸を垂れる。なんともワイルド。高倉健の世界である。思わず「野性の証明」のテーマソングを口ずさむのだった。
鹿島港ポートラジオに入る唯一の方法はこの橋を渡ること。同時にこの橋の近辺にクロダイはじめたくさんの魚が集っているのである。
島の周囲の約半分で釣りが可能。人気スポットだけに休日は場所の確保がなかなか大変だが、地元の釣り人が多いせいか夕方あたりにはだいぶ空いてくる。夕方が勝負だな。
水中チェック!
魚の種類がね、多いんですわここ!
まあ見てくださいや。まるで水族館ですなここは。北外房は砂浜であまり魚種が豊富でないのだが、ここ鹿島港は別格だね。
毎度! カワハギ。ウミタナゴは小型が多いがみんなまるまると太っている。
こいつはイシダイか!? と思ったらおや珍しい、タカノハダイだな。そしてやはりここにも多いぞボラは表層近くをブーラブラ。
海底付近にはメバル。そしてエイがモソモソと海底を這いまわっているぞ。
釣魚チェック!
夕方、アジサバいけまっせ!
ここは夕方にアジが回遊してくることで有名。実際、日没前後からにわかに水面にパシャパシャと波紋が出始め、御覧のようなアジサバが、サビキで簡単に釣れ盛るんだよホホホイのホイと。
投稿写真ご紹介!
茨城は「名人ケンちゃん」から写メールの投稿をいただきました。毎度!
「クロダイ狙いでダンゴ釣り(オキアミをコマセでくるんだボールを、コマセ柄杓で投げ込む釣り)」してると、とにかくボラがかかります」ということだね。ボラは普通はつけ餌を食わないがここのボラはよく食ってくるんだそうだ。また秋口にはサンマサイズのサヨリまで回遊してくるという。いまどきこのクラスが内湾で釣れるとは、ちょっと心躍る情報じゃないかこれは。
駐車場チェック!
ご覧のように見渡す限りの空き地なので、問題ありますまい。
トイレチェック!
トイレなし!
立ち入り禁止情報
ところでこの鹿島ポートラジオだが、あの震災で一帯がかなりの被害を受けていた。周囲の道はグンニャリと隆起していて、当時はかなり荒々しい、危険な様相を呈していたし、ポートラジオの向かいにある鹿島魚釣園は2015年の再オープンまで休園していたくらいだ。でも今では道路もかなり修復されていtれ、魚釣園も再オープンしている。関係者の皆さんの不屈の精神に感服するばかり。と、いうわけで2017年夏、その後のポートラジオを訪ねてみると・・・。
「島」である鹿島ポートラジオと対岸をつなぐ唯一の連絡路であった高架橋の入り口が、このように巨大なコンクリートブロックにより封鎖されている。看板には「震災の影響により落橋のおそれあり」通行禁止とある。
と、いうことは現在、ポートラジオは孤島化しているのだろうか? と思ったらなんとすぐ左にもう一本、低い位置から新しい橋が架けられていた。まさに不屈の精神である。
ただ残念なことに「関係者以外立ち入り禁止」の赤い大きな看板が掲げられている。鹿島ポートラジオは港湾関係者以外、立ち入り禁止区域なのである。
なんだけど岸壁を見ると電気ウキがチラホラと。夕方以降や休日などによっては黙認されているのだろうか?
このあたりは自己責任、というところかもしれないけれども、護岸はまだ震災による損傷が残っている部分も多いので、危険な釣行は控えておきたいところだね。
ひとこと! 鹿島港 ポートラジオ
スケールの大きな港だね。対岸を見れば小山のようなタンカーがいったりきたり。特撮映画のセットのような鹿島港だが、港のサイズに負けず劣らず、魚の種類、数が豊富だね。
魚のサイズとしては比較的小型が多いが、ボラはデカイ。サメのような、1メートル近くあるやつが岸から見える。あれに食われると、竿がたまらんだろうて。
広くてのんびりやれるところだね。とくに夕方のアジ・サバはおもしろいよ。
ただし、ところどころ岸壁が崩れて危険な状態になっているので、くれぐれも事故には気をつけたい。
足元にクロダイ。カイズクラスだが、周囲ではよく釣れているようだった。
ここの夕日は絶品だねえ。
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