ヴェネツィアの香り漂う水路に留まる漁船を見ながら、のんびりウキを眺める・・・そんな贅沢なひとときがここにある。
忽戸と書いて「こっと」と読む。ここ忽戸港には漁人以外は誰もいない。そして、こんなことを言ってしまうと身も蓋もないのだが、港内には魚もあんまりいない。だがこのこぢんまりした静かな漁港には、イタリアのベネツィアを彷彿させる至福の時間がある。ここ南房・忽戸港はそんなエモな漁港だ。
漁から戻ったちいさな漁船は、港内の白いアーチ橋をひょいとくぐって、加工場直結の護岸に係船する。まさに水運が生活の一部、いや生活そのものになっている様式がもうベニスの商人ならぬ、忽戸の漁人といった趣だ。
ひび割れたコンクリートの坂を下りると、港内唯一の波止堤防に出る。
一段高いところへよじ登って周囲を眺めると、インディゴブルーの美しい海が広がる。
港の外側は一面の岩礁帯だ。
ぐるりと見渡すと、ちょっと向こうにイイ感じの磯場が見える。あとであっちのうほうも攻めてみようかな。
傍らを見ると漁人の休憩スペースらしき、ハンドメイド感満点のサンシェード。イタリアのレッジョ・ディ・カラブリアを感じさせるまったりとした海岸風景。そう、ここ忽戸港にはイタリアの時間が流れている。
水中チェック!
さて、いつまでもイタリー気分にひたってばかりもいられない。早速水中を覗いてみよう。L字型に沖に出た波止堤防先端だ。お、何もいないと言っていたが小メジナがいたぞ。
おっとそして何もいないと言っていたがシマダイまでいるぞ。
これが忽戸港の海底だ。外洋と同じく、やはり港内も岩礁帯になっているね。そして海底付近のお友達、ベラたちがお出迎えだ。
おや? これはオキフエダイだね。こんな沖縄や九州で見かけるような魚も、最近は房総でお見かけするようになったな。小さいけど。
釣魚チェック!
小メジナだー!(苦笑)
ニシキベラだー! まあ、こんなんですわ。
駐車場チェック 駐車場なし
完全に地元専用施設の趣だからね。車は近隣の広い漁港に停めるかして、ジョギングしながら来るしかないだろう。
トイレチェック! トイレなし
そんなのは無いんだ・・・ここは。
ひとこと! 忽戸港
南房総の海岸風景は、どこか南欧を思わせるがここ忽戸港は「思わせる」ではなく「そのもの」といった感じだ。流れる時間感覚、風の匂い、係留されている小さくてシンプルな漁船、そしてどこか南洋系の魚たち。
大物狙いはないが、癒しや自然との戯れといった、釣りに求めるもうひとつのものがここにはふんだんにあるような気がする。小さな地元密着型漁港なので、訪れるときは地元の方々に配慮したいね、車乗入れ無用・ゴミは持ち帰ろう、イタリア旅行する気持ちでネ、グラッチェアモーレ。
MAP