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入り江の奥に静かに佇む、静かな水面に漂う魚と遊ぶ一日。
ここは東北・石巻は牡鹿半島。三陸リアス式海岸の南の端にある半島だ。この牡鹿半島、入り組んだ入り江ごとに漁港があるんだけどね、同じように見えて、そのシチュエーションごとに水深や波の高さ、そして生息する魚種もかなりいろいろ、バラエティに富んでるのがおもしろいところなんだ。中でもこの小積浜(小積)漁港はかなりマイルドな部類に入るようだね。
山間いにある小積浜漁港へは長い下りをかなり降りていく感じだ。
とっても広い小積浜漁港の護岸。でも陸側の護岸はかなり大きめの漁船が何艘も係船されていて、漁業スペースになっているようなので、釣りは控えたほうがよさそうだ。いや、それにしてもいい景色だよここは。海の碧と山の緑、そして空の青の3つの色しかない。
メインのポイントはこの護岸一番左から入れる、沖に伸びる防波堤だろうね。
とっても長い、そしてけっこう沖まで出られるね。堤防の途中までは漁船が係船してるんだけど、この赤灯あたりまで来ると何もない。洋上にひとり立っているような気持になるイカした堤防先端だ。難を言えば虫が多いね。周囲をぐるりと森に囲まれているせいなのか、コマセを出すと途端にすごい数の虫たちがやってくる。
水中チェック!
さてそんなわけで水中を見てみましょうかな。赤灯のある堤防先端あたりをぐるりとまわってみたんだけど、どうもこの堤防、水深1.5メートルあたりから段差があって、シェルターのような感じになってるようだね。その隙間に魚がいる・・・ようだけど何だろうこの魚?
アサヒアナハゼだね。これがチョロチョッといるくらいだな。。。意外に魚が少ない。
そして驚いたのがこれ。赤灯から港内に向かって10メートルほどの海底に、こんな神殿のような構造物が沈んでいるようだね。何のためにこんなものが沈んでるのかナゾだけど、魚はいなかったな。
全体に水深は浅め、というかかなり浅いね。海底に水草が茂っている。ナマコだけは異常に多い。
ステップ気候のような荒涼とした砂地の海底が延々続いている。うむ、これではハゼくらいしか生息していないかもしれないね。
堤防をグルグルと無数のシラスのような魚の大群が行きかう、海上では虫、海中ではシラス。ミクロな奴らの天国だ。ただ、いわゆるベイトフィッシュは大量にいるので、少し沖にはこれらを捕食するシーバスなんかがいるのかもしれない。実際、ここで釣りしてると入れ替わり立ち替わり、ルアーを竿先につけたアングラーが出入りしていたな。
駐車場チェック!
ちょうど防波堤のつけ根部分に広い駐車スペースがあって、無料で停められる。いや、この駐車スペースの景色は最高だね。「日本絶景駐車場100選」とかがあったらぜひ推薦したいね。無いんだけどね。
トイレチェック! トイレなし
復興し、生まれ変わったとても新しい漁港だから、これから施設が充実していくことを願うね。
ひとこと!小積浜漁港
ここは静かだ。入り江の奥なので波はほとんどなく、まるで湖のようだし、山間の谷間で風もあまり吹かない。そして、人もとても少ない。漁師さんの仕事が休みの日は本当に誰もいない。周囲にコンビニが一軒もないどころか、建物自体がほとんどない。そしてこれはいいのか悪いのか、まああまりよくはないけれど、このあたりは水深も浅いので魚もあまりいない。アナハゼしかいない。でもここは至高の静寂がある。市街地を離れ、ひとりぼっちになれる場所だ。
先輩諸氏がいつか勤め人を卒業して、自由の身になったとき、これからのことを考えたくなったとき、ふらりと訪れ、丸一日過ごしてほしい、ああ、ここはそんな場所かもしれない。
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