おそらく一生行くことがないだろう一地方の一河口。知らない街で釣りしてみたい貴方へ…。
どこか遠くで…釣りたい。人間、一生のうち3回くらい、そんな浮世離れした気持ちになることがある(かもしれない)。そんなとき、広島は海田湾、矢野川河口なんかいいかもしれない。いや、いいとはいえないし、他にもっといいところはあるけれども、おそらくこんなサイトの記事でもないと一生行くことはないだろう場所はないか? というマニアックな要望に応えるとしたら、という意味である。
海田湾に流れ込む、矢野川など3つの川の合流地点がポイントで、3河川の淡水と海水とが複雑に混じりあったこの汽水域は、いろいろな魚が居着いていてなかなか味わい深そうである。中でも上の、尖塔状に突き出た中洲のような部分は護岸全域が釣り可能で、移動しながらポイントを探れる。
こちらは対岸の、JR矢野駅からまっすぐ住宅街を抜けた先にある堤防。住宅街なのでこの先端部分のみが釣り可能ながら、岩がたくさん沈んでいてハゼがたくさん居着いている。
で、ここがその先端部分。正面の堤は高くて釣りにくいので、正面向かって右側の開口部がポイント。正面は船着き場のため釣りは不可だ。
小鮒釣りし、かの川、といった昭和文学を感じさせる夕景は、明日という日を信じたくなるそんな一日を貴兄に与えてくれる、かもしれない。広島の空は広く、きれいである。
水中チェック!
住宅街先端の堤防右側、岩場に巣食うハゼ(画面中央)。これ、形はたしかにハゼなのだが、やたらに動きが早く何度撮影しても、砂ぼこりしか映らなかった。別種なのかもしれない。カメラを体の上に乗せても動こうとしない関東のハゼとはかなり性格が違うようだ。
バッホバッホとあらわれたアカエイ。これは全国共通だ。
湾の中央部は砂地になっていて、頻繁に水面に波紋ができている。大部分はボラなのだが、この黄色い中型魚が時折混じる。透明度が悪く、特定化できないのが残念。
駐車場チェック
いわゆるとがった中洲部分の中央部付近にこんなすてきな芝生の駐車スペースアリ。
トイレチェック! トイレなし
ひとこと! 海田湾矢野川河口
毎日毎日、何年何十年と、同じ電車に乗り同じ駅で降りて、また帰っていく日々の中で、「あ、オレ明日広島の海田湾の、矢野川河口行こうかな」という人間はおそらく7万人にひとりいるか、いないかだと思うけれども、本当にここはなんでもない、特段クロダイがウジャウジャいるわけでもなく、ハゼとボラしかいない。が、人生最後の瞬間の、走馬灯の中になぜかきっと、そう、出てくるワンシーンになりそうなとこじゃけえ、いっぺんいってみたらどうかいのう。
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